アレルギーとは

アレルギーとは

人間の身体には免疫システムと呼ばれるシステムが備わっています。簡単に言えば、体内に侵入しようとする病原体(ウイルス、細菌 等)を排除する仕組みです。病原体(抗原)に対して、抗体を作ります。この抗体が抗原とくっつくことで、体内から異物が排除されるようになります(抗原抗体反応)。ただし、抗体が作られる過程において、本来であれば人体に無害とされるもの(花粉、食物、ダニ 等)にまで抗体が作られてしまい、そのような物質(アレルゲン:アレルギーとなる原因物質)が体内に入るたびに速やかに体外へ排除しようと過剰反応(くしゃみ、鼻水・鼻づまり、目が充血、皮膚にかゆみを伴うブツブツ など)が起こります。これをアレルギーと言います。

アレルギー検査について

当院ではドロップスクリーンを導入しております。

① 検査が簡便

気になるアレルギーの原因は?

指先から1滴(20μL)の血液を採取するだけで食物アレルギーや花粉症などの原因アレルゲン41項目を調べることができます。
患者様の負担がとても少ない検査で、6歳以上のお子様から検査可能です。

② 結果が直ちに出る

これまでのアレルギー検査では結果はおよそ1週間程度かかりましたが、ドロップスクリーンは30分で結果が出ます。

→ つまり、体に負担の少ない検査にて当日に診断・治療を行うことができます。

診療の流れ 受診当日に診断・診療方針が決定できます

  • 診療の流れ
  • 採血
  • 測定
  • 結果報告・診断

代表的なアレルギー疾患について

アレルギー疾患に関しては、食物アレルギー、金属アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などがありますが、耳鼻咽喉科領域でよく知られているのは、花粉症、アレルギー性鼻炎です。

花粉症

花粉がアレルゲンとなるアレルギー疾患です。ただこの場合、アレルギー症状がみられるのは、原因とされる花粉の飛散時期のみとなります。原因花粉としては、スギやヒノキなどがよく知られています。これらは春の時期に花粉が飛ぶので、花粉症は春先だけというイメージのある方もいるかも知れません。しかし、患者様によっては、飛散時期が初夏のカモガヤ(イネ科の植物)やシラカンバ、秋の季節のブタクサやヨモギなどによって発症することもあります。
主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。さらに、アレルギー性結膜炎も合併しやすく、目のかゆみ、充血、目の中がゴロゴロするといった眼症状も現れることがあります。なお、原因花粉の非飛散時期は、無症状です。

治療について

鼻炎や結膜炎の症状を抑える治療(対症療法)としては、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬等の内服のほか、鼻粘膜の炎症を抑えるためにネブライザー療法(薬液を霧状にして、それを吸入することで薬液を炎症部位等に直接届くようにする)を行うこともあります。眼症状については、抗ヒスタミン薬などが含まれる点眼薬を用います。
また、原因花粉が判明していれば、マスクの着用、室内の空気を綺麗にする、飛散時期は掃除をこまめにするなど、できるだけ抗原(花粉)と接触しない環境づくりも大切です。

上記以外にもアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)や、鼻症状が薬物療法では改善できない場合に手術療法(鼻粘膜焼灼術など)が選択されることもあります。

舌下免疫療法はこちら

アレルギー性鼻炎

鼻の粘膜にアレルゲンが付着することで炎症を引き起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がある状態がアレルギー性鼻炎です。他のアレルギー疾患(喘息やアトピー性皮膚炎など)を併発していることも多いです。

発症時期が限定される季節性アレルギー性鼻炎(主に花粉症)と、季節に関係なく一年中発症する通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。

通年性のアレルゲンは、ハウスダスト、ダニ、真菌(カビ)、ペットの落屑等の混合物などがあります。

治療について

アレルギー症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり など)を抑える治療(対症療法)としては、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬などの内服薬やネブライザー療法を行います。またダニやスギ花粉がアレルゲンという患者様には、アレルゲン免疫療法のひとつである舌下免疫療法をおすすめしております。もし、これら薬物療法にて、鼻症状が十分に改善しない場合は、手術療法(鼻粘膜焼灼術など)が選択されることもあります。

ネブライザー療法

ネブライザー機器(煙霧発生装置)のノズルを鼻の穴に当てます。エアロゾルに変化した薬剤を鼻で吸って、口から吐き出します。これを3分間行います。薬液には、ステロイド薬、抗菌薬、粘液溶解薬などが用いられます。
エアロゾル化した薬液が患部に直接届くことで、鼻の粘膜の腫れが引くようになります。花粉症などのアレルギー性鼻炎だけでなく、副鼻腔炎の患者様でも効果的です。